別に変な事を言ったつもりは、無いのだが凛の顔は、真っ赤になっていった。
何だか、面白い!!
俺の言った言葉に妙に反応して。
昔の俺なら、からかいついでにイタズラっぽい事もこんな時していたんだろうケド・・。
思わず抱きしめようと伸ばした手を俺は、引っ込めた。
『凛は、マダ子供だからネ』と言う中山社長の顔が俺の頭の中にチラついたからだ。
そうだよな~。
凛に手を出すのは、確かに問題かもしれない。
さすがにマズイだろ・・・。
凛は、そんな俺の顔をまっすぐ見つめていた。
何だろう・・・俺のこの胸の痛みは・・・。
ただ見つめられているだけなのに、胸の奥がグーッと締め付けられている。
俺、何処か悪い病気にでもなっちまったのか?
俺が、歩き出すと凛は、慌てて立ち上がった。
後ろを振り向くと足早に付いて来る。
その姿は、まるで子犬のよう。
立ち止まる俺に、ようやく凛が追いついて。
俺は、右手を出して、凛の手を取る。
小さな凛の手は、冷たくて心地良い・・・。
そのとたん、俺の胸がまた締め付けられた。
なんだ!?
この苦しさは・・・?
こんな事、初めてだ!
立ち止まった俺を心配そうに覗き込む凛。
そうだ!
そうなんだ!!コイツが・・・・。