「こんなもん買ってどうするんだ~」
歩きながら、ストラップを眺めながらぼやいてる。
「携帯に付けませんか?」
「携帯に~?」
私は、グイグイ大水さんの手を引っ張って街灯の真下のベンチに座った。
携帯を取り出しマズは、自分のに付けて「ホラ!!」と、大水さんに差し出す。
「大水さんも~」
私が、片手を広げて出すとポケットから渋りながら取り出した。
真っ黒な光沢のある携帯電話。
シンプルで、でもその光沢がガラスみたいに磨きこまれていて街灯の光も覗き込んだ私の顔も映るほどで・・・まるで鏡のようだった。
本当にシンプル!
ストラップなんて何も付いてない。
私の携帯とは、比べ物にならないや~。
私は、携帯を受け取るとストラップを付ようとした。
でも、もともと何も付いていない携帯に付けるのは、大変。小さな穴にねじ込んで・・・。
私が、モタモタしている姿を横で見られて・・・恥ずかしい。
ようやく付け終わって、大水さんに渡すと「ふふ~ん」と、言ってポケットに仕舞った。
『おそろい!!』
何だか照れくさくって、恥ずかしい。
でも・・・嬉しい!!
私が、それを眺めていると・・・。
「あっ!!」