「なに・・・?こんな所でいいの??」

花火が終っての楽しみといえば!!

小さな軒先を並べて建つ屋台でしょ。


私達は、人ごみの中ゆっくりにしか進めない。

はぐれない様にと大水さんは、私の手をギュッと掴んだ。


大きなその手は、心地いい。


ギュって握り返して私の顔がほころんだ。

「らっしゃい!らっしゃい!!」

店主の呼び込みの声。

「アツアツのお二人にこんなのいかが~?!」

髪が金色で化粧バッチリの女の人が、私達の足を止めた。


アツアツ?!

私達そうゆう風に見えるんだ~。

お決まりのような呼び込みの声だった。

だけど、人からそうゆう風に見られるんだ~って、私は、嬉しくなった。


その屋台は、アクセサリーなどの店だった。

祭りには、ありがちな屋台。


でもその中で私が、手にした物があった。

それは、シルバープレートの付いたストラップだった。

プレートの中には、星座が掘り込まれてある。

私がまじまじと見てると店主のオネーさんが「それ、さっきのカップルも買って行ったよ!」と笑顔で進めてきた。


完全に私の目は、そのストラップに釘輔だった。

「ほしいの?」

かがみこんで見ている私の上から声がした。

「うん・・・」

見上げたその大水さんの顔は、少し困ったようで・・・でも口元は、ほころんでいた。