言い様ない空気の中、俺は車を走らせた。

柏木のマンションは、かなり遠い。

「社長・・・さっきの話の続きですが・・・」

そんな柏木の言葉に俺は、答えるつもりがなかった。


車が、信号で停まると柏木が俺の腿に手をのせてきた。

そして「社長には、私みたいな女が似合うと思うんですが~」甘ったるく俺に囁いた。

体をグッと近付けてこれどもかとばかりに、柏木の香水の臭いが鼻をつく。



俺には、こんな女しか今まで近付いてこない。

金目当てなのか・・・。

それとも俺のルックス目当てなのか・・・・。


とにかく、女の色気を半径3メートルまで振り回す様な女は、もう死ぬほど見てきたのは、事実だった。




信号が青へと変わると、俺は車を走らせた。

柏木の言葉を無視して