テスト前の息抜きとばかりに、家庭科の時間に『タルト』を作った。

あまーいお菓子独特の匂いが、広がってる。


私、器用な方じゃないけど、今回は、上手く出来た!

美味しそ~!!


クラスの子たちの声が聞こえる。

「これ~カレシに持って行くんだ~」

「じゃあ~私も」


カレシ・・・か。


私は、出来上がったばかりのタルトを持って、見つめてた。


大水さん、こんなの好きかな~。


美和子が私の両肩を力強く叩いた。

「持って行けばいいじゃん!凛も!!」

両肩が痛くって・・・でも、それは、『気合注入』とばかりの一発で・・・。


「ウン」

私は、答えた。