学生も大変だ!

休みの前には、必ず試練が待っている!

ここ数日の凛からのメールは、悲惨だった。

『教科書の範囲が~~』とか『漢字が解らない』だとか・・・。

俺は、『頑張れ!』しか、入れようのないメールに頭を悩ませていた。

いつも同じ文では、芸がない様に思えての事。



「今日も~、メールですか?」

受付の『柏木 麗子』が、携帯を覗き込んだ。

彼女は、受付には、もってこいの美人だった。

長い髪は、いつも綺麗に巻いてあり、制服の上から窺える体系は、かなりの物だ。

殆どの男性社員が彼女の微笑み一つで、どんな頼み聞くだろう。

そんな女だった。


俺は、秘書の楠木を待っていた。

今から商談というのに、書類を一部忘れたらしい。

「社長~噂で聞きましたが、可愛い彼女が居るんですってね~!」

甘ったるい、その言い方。

若い頃の俺なら、当然のようにこんな女には、手を出していただろう。

ブランド物の香水が、鼻につく。

「君には、関係のないことだ」

「まあ~社長。私には、冷たいんですね~」

柏木が俺の携帯を取ろうと手を伸ばした時、楠木がエレベーターから降りてきた。


こんな場には、長居したくない。

「しっかり仕事をするように!!」

俺は、受付にそういい残すと社を出た。