「ゴメンって!ハイ!!もう、お腹なら鳴らないようにいっぱい好きな物頼みナ!!」

大きく広げてメニューを私に見せるけど、私の顔は、脹れてた。

館内の喫茶店に飛び込む様に入った私達。

壁変わりに、イルカ水槽。

イルカが泳ぐ姿が見れ、食事も出来るあって、店内は、込み合ってる。


あんなに笑わなくても良いのに~。


「ゴメン!」って何度も誤る大水さん。

まだ続く脹れ顔。


「ホント・・何が良いの?食べないつもり??」

店の入り口では、順番待ちで人が並んでる。

ずっと笑ってた大水さんの目が、一瞬冷たくなるのを感じた。





「ホントに、食べなくていいのか?」

腕組みをして、私の顔を見ずに言う声。

私も半分やけくそ気味で「いい―――」って返事。

「じゃ――出るゾ」

大水さんは、立ち上がり店を出て行った。


まってよ!

私、大水さんを困らせたの・・・?

怒らせちゃったの・・・・?

私は、ただ大水さんが私の事を笑うから・・つい・・・。



履き慣れない靴が、まどろっこしく上手く歩けない。

大きな背中を前に見ながら、私は出来るだけ早足で後を追った。