「静かだね・・・緊張してるの?!」

走らせる車の中。

大水さんがクスッと、笑いながら言う。

私は、さっきからドキドキしっぱなしで、なかなか言葉が出ないダケ。

「もうなにもしないよ!」

大水さんは、そう言うとグシャグシャと私の頭を撫でた。


すぐそんな事するから、ドキドキするんだってば~。



昨日と同じ道を、車は走ってた。

でも違ったのは・・・。

車がウチの前で、停まった事。

私は「ありがとうございました」。そう言って、車から降りようと扉を開けた。

でも、それと同時に運転席の扉も開いた。

『・・・?』

大水さんと目が合った。

「俺。一様大人だから、挨拶ぐらいしとかなきゃね」

大水さんは、そう言うと私と一緒に玄関の前に立った。


大人だから・・・か。


玄関の扉が開いて「アラ?!遅かったわね」エプロン姿のママ。

私の顔を見て小言の一つでも言いたそうな感じだった。

でも・・・。

「こんなに遅くまで娘さんをお引止めして、申し訳ありませんでした」

私の後ろで、深々とお辞儀をしてる大水さんの姿。

ママは、あっけに取れれてる。

「あら~大水さん!凛を送って来てくれたのね!!ありがとう」

おばあちゃんが、階段をトントンと下りてきた。

「ご心配をお掛けして、すみませんでした」

深々と頭を下げ続け大水さんは、言った。

「そんな事無いのに~ココじゃ何だから~さあ、上がって!!」

おばあちゃんは、にこやかにそう言った。