手渡した、ハンカチ。
一様とばかりに、広げて髪を拭く。
「驚いちゃいました。大水さん雨の中、出て行っちゃうから」
とっさにそんな事を言った。
「綺麗な物とかに遭遇すると、近くで見たくなるんですよ・・・。職業病?みたいなものですかね」
私の言葉に、当然のようにそう答えた。
「職業病ですか・・・?」
私は、ホテルで渡された名刺を思い出した。
でも・・・・。
まじまじと見てなかったから・・・・。
私のつれない返事を見抜いてか、大水さんから言われた。
「一様。デザイナーの端くれですから」
・・・デザイナー?