「すみません。ずいぶん待たせちゃいましたね。」


小雨の外に飛び出して行った大水さん。

でも、戻って来るとスーツは、ずぶ濡れになってた。


かなり長い時間見てたもんね~雨。


私は、カバンの中からハンカチを取り出して手渡した。

それを見て大水さんは、笑った。


「大丈夫ですよ。コレぐらい!!」

そう言って、スーツの上着を脱ぐと後部座席に放り込む。



私は、またも大水さんの行動に驚いた。

それに・・・・。

初めて笑ったその笑顔。

『感情を表に出さない』って感じで整った顔の無表情だったのに、ギャップありすぎ。

一気に変わるその笑顔・・・・カッコいい。



「どうかしましたか?」

そう言われ私は、大水さんをじっと見つめていたことに気が付いた。

目が合って・・・。


私、ドキドキしてる。