「じゃ・・・このお話は、無かったことで!!」
私は、恥ずかしくってそう言い残し立ち上がった。
「そうですか・・・。なら、自宅まで送ります。」
大水さんも立ち上がると、私のカバンを持ちスタスタと会計に行ってしまった。
ちょっとまってよ!
大きな大水さん。
普通に歩いてるだけなのに私の短い足では、付いていけない。
レジ前で大水さんが立ち止まった。
私は、とっさにスーツの裾を掴んだ。
だった、また1人でスタスタと歩き出されちゃったら、言う機会を失っちゃう。
「すみません・・・私、一人でも帰れますから・・・。」
ようやくそう言えたのに、大水さんは、じっと外を見てた。
「雨・・・降ってますよ。」
その言葉に、私も外を見た。
確かに・・・雨。