麻耶が話す。


「可能ならデータを僕のパソコンに転送してくれ。それをマスコミに発表する。それなら科学者たちは生かすことが出来る。時間的に無理ならすぐに科学者たちの口を封じるか、データを消してくれ。君たちを不要な危険に巻き込みたくない」


 世間的にはサイエンスカンパニーの支持は強い。健吾はその支持を否定していたが、それはほんの少数派に過ぎない。もしサイエンスカンパニーから生き残りがいた場合、彼らは悠介たちを爆破事件の犯人と公表するかもしれない。良太とすればそれは絶対に避けたいことなのだ。


「これで最終チェックは終わりだ。麻耶。慎次。それに悠介。しっかりな」


 良太は二人の肩を叩く。二人は力強く頷いた。