作戦決行の一時間前。


 四人は自宅のリビングで最終確認を行っていた。テーブルには良太が持ってきたサイエンスカンパニーの間取り図が何枚も置かれている。


「簡単な話だ。あそこは意外と複雑な構造はない。地下三階建てのそれこそ一軒家程度の広さだ。おそらく鉄斎はデータと同じ地下三階にいると思う。その時間帯はほとんど『血の起爆』のチェックを行っている。一応極秘データだから、開いて調整を行うにはすべての警備を追い出さないといけない。どこにスパイがいるか分からないから。だから中にいるのは鉄斎とデータとほんの数人の科学者だけと思う」


「他の科学者はどうする?途中で警備隊を戻すかもしれないぜ?」


 悠介に質問に良太が答える。


「その点は大丈夫だ。こちらからデータを送って君たちが入った後は門を閉じる。そこからは携帯で連絡する」


「増援(ぞうえん)が来ることがないのは助かりますね。科学者の方は?」


「そっちは鉄斎さえ捕まえられたら出来るだけ生かしてほしい。もし無理な場合は殺しても仕方がない。のちに面倒なことになるから」


「面倒なこと?」