「明日の午後二時から一時間だけ警備の人間が一斉にカンパニーの外に出る。その隙(すき)に入り込んで鉄斎を倒し、『血の起爆』をデータごと消してくれ。削除方法は麻耶に任せて、慎次は鉄斎を倒すんだ。支援は僕と玲菜で行うから」


「……」


 少し不満そうな顔をする慎次を見て、良太が付け加える。


「それに、悠介君が黙ってなさそうだしね」


 先程の一件で悠介は鉄斎にいいようにされている。本人はものすごくショックを感じているようだった。そして悠介から、


 ――……変わってくれ。


 慎次は大人しく悠介に体を渡す。


「いいのか?俺にそんな重要な役割を任せて?」


 悠介の問題に良太は笑顔で頷いて、


「もちろん。今はその力を何としても使わねばなりませんから。内部での道案内は全て麻耶に任せてあります。だからあなたは鉄斎を倒すことに専念してください」


 悠介は頷くしかなかった。その様子を玲菜は心配して聞こうとしたが、麻耶が先に悠介に話かける。