もちろんこれは最悪の場合だが、鉄斎が初めに言っていた、『科学は二十一世紀を迎えてからこちら、加速度的に進歩している』と。


 これは爆発の威力を物語る台詞だろうか。それともこの会社のキャッチフレーズなのか。


 そう考えていると電車のアナウンスが慎次の降りる駅を告げた。急に現実に戻され、考えを引きずったまま電車を降りる。


 駅を出るとそこには麻耶と玲菜が待っていた。学校に行かず外出したのに怒った顔一つしていない。


「おかえり。やっぱり会ってきたみたいね」


 麻耶が慎次の表情を見てそう言った。麻耶は慎次のことを知っていたみたいだ。もちろん親である玲菜も。


「ごめん。騙してたわけじゃないの。このことを、本当のことを言ったら慎次はこの家から出て行くと思ったから」


 たぶんそうだった。鉄斎から真実を聞くまでは。でも今はそれどころじゃない。


 慎次は拳を握って二人に話しかけようとした。


「ねえ!大事な――」


 そう言いかけた途端女性の悲鳴が聞こえた。それとほぼ時を同じくしてざわめきが。


 慎次たちは声の方に向かった。そこには巨大なテレビが壁に掛けられだれでも見ることが出来るようになっていた。そこにいる人たちは歩くのを止めてテレビに釘付け。みな一様に顔を青くして血の気が引いている。