「……慎次。あなたサイエンスコーポレーションって知ってる?」


「……ええ」


「そこから何か届かなかった?ダイレクトメールでもいいから。最近届かなかった?」


「こ、小包が届きました。」


 それを聞いた二人はすぐに慎次を見た。


「いつ!?」


 玲菜がめったに見せない怒気が混ざった声だった。


「え?えっと昨日のお昼前です……」


「それじゃあ、届いたものを見せてくれる?」


 慎次は頷いて自分の部屋から黒いダーツの矢を持ってきた。二人は顔を合わせて慎次に向けて話す。


「慎次。悪いことは言わないわ。これをすぐに捨てなさい」


「え?どうして?」


「サイエンスコーポレーションの黒い噂を聞いたことはあるでしょう?サイバーなのかそれともサイエンスなのか分からないけど、必ずテロが起こる。これはそのテロの犠牲者(ぎせいしゃ)になるかもしれないのよ?」


 慎次もそのことは分かっていた。もし健吾の書いた記事の通りなら、テロが起きると。
サイエンスコーポレーション関係で起きてしまったら、慎次はその犠牲者になる可能性が高い。