「失礼します」


 山下の呼び出しからほぼ五分。二人がやってきた。二人の登場で慎次はさらに驚く。


「麻耶!それに優も……」


「なあ、慎次。覚えてないのか?」


 優貴が慎次に話しかける。


「何が?」


「何がって……。お前が一人で石川たちの骨を折ったんだぜ?それも楽しむように!」


「僕が石川たちを!?」


「あっという間に石川たちを倒して、それからあいつらの骨を折り始めた。俺が着いた時にはもうお前は飽(あ)きた顔をして座ってただろう!?」


 優貴がそこまで話すと慎次が頭を抱え出す。それを見ると優貴は話すのをやめる。


「どうやら、慎次は完全に記憶にないようね。それにある程度の外化(がいか)行動(こうどう)が不思議(ふしぎ)じゃないけど……」


 聞きなれない単語(たんご)に麻耶が玲菜に聞いた。


「ねえ。外化行動って何?」


「簡単に言うと、外に向かって行動をするの。でもそのほとんどが暴力的な行動を起こすの。逆に引きこもりなどのことを内化(ないか)行動(こうどう)って言うの」