"あのさ..嫌がらせのことやねんけどな..."


圭太君はすらすらと話出した。

「犯人わかったで。」

「え?」

「隣のクラスの渡部ってやつ」

「あ...」


渡部と言う名前に
あたしは心当たりがあった。

確か入学したばかりの時に
告白されたけど
あたしがあっさり振ってしまった。
渡部はそれから悪いやつらと関わるようになっていたけど
うまく行かなくて
学校にあまり来ていなかった。

「あいつが...」

「うん」


犯人を見つけたら
絶対殴ってやると思っていた。
けど学校にも来ないし
どうしようもなくて腹か立った。


「むかつく..」

「うん。それからな...」

「...?」

「犯人探したのがひろやねん。」

「え...?」

「どうゆうわけか知らんけどあいつ本気で探してた。」

「....」

「渡部の家まで行ったんやで」

「え~~~!?」


どうしてひろが...

「俺もなんでそこまでするのか不思議でさ...大輔がしたことやったら納得できるけどなぁ~」

「...。」

「宵ちゃんってひろと仲良くないよな?」

「...あんまりね」

胸がチクンとした。
嘘つくことがいやになる。


「そうやんなぁ?だから不思議でさ~~」

愛が悲しそうな顔で黙って横に突っ立っていた。

ごめんね。
嘘ついてごめんね。


「なんか..よくわかんないけどありがとうって大下君に言っといて。」

「おう。でも俺本間はこのこと内緒って言われてるから無理やわ~」

「そっか。ならいいよ♪ばいばい」

「ばいば~い」


圭太君はとても不思議そうに
ひろのことを話してくれた。
愛はそれを横で悲しそうに黙って聞いていた。

本当は違うの。

仲良くないわけじゃないの..

仲良くしちゃいけないの...