クラス発表の日。

みんな並んで張り出された紙に群がっている。

そんな中であたしは人が少なくなるまで待っていた。


8クラスもあるけれど
別に友達も沢山居るし
顔は広いほうだった。


「宵~!!!ちょっと!!ありえない」

「何が~」

「クラス!!!クラスが!!!」


あたしは愛にひっぱられて人混みの中を無理矢理進んでいった。


「ほらぁ!!!」

「え...」

心臓が大きくびくんっと跳ねた。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
4番 伊藤 愛
5番 江口 圭太
6番 大沢 宵
7番 大下 祐
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


嘘みたいだけれど
本当の話。
あたし達は見事に同じクラスになってしまった。
出席番号まで自動的に並ぶ。



「ありえない...」


心の中で本当は喜んだ。
でも少し不安だった。


「宵!!ありえないよねえ?!」

「うん」

「良かったじゃん!!ひろくん居るよ?」

「彼女いるけどね...」

「でもあたしだって初めは圭太くんに彼女いたよ?でも今はこんなふうに仲良くできて..」

「ちがう!!!」

あたしは愛が素直にはしゃいで居られるのが羨ましかった。

「愛...そんなんじゃないの」

「え?」

「ひろとあたしは愛と圭太くんみたいな....そんなんじゃないの」


それからあたし達は
新しいクラスに入るために
出席番号順に並ぶ。


「一緒のクラスやな」

ひろが話しかけてきた。

「うん...」

「あんまり話しかけてこやんといてな...」



どうしてだろう?
別に何も言っていないのに
遠くから傷つかないように
我慢して見ていたのに


どうして傷つけられるんだろう?


それから
愛に話しかけようとすると
間に圭太くんがいるから
遠慮してなかなか話しかけられなかった。


だからずっと黙っていた




クラスが変わって
ひろが教室に居る。


でも 一言も話さない。
話しちゃいけない。






もどかしくて



声にだして言いたい。

"好きなのに.."