平気と言っても
やっぱり辛かった。
放課後にふと窓から下を覗くと
中庭に梨香ちゃんが居た。
しばらくすると
そこにひろがやってきて
みんなに冷やかされながら
仲良く帰ってゆく二人。
あたしはただ窓から見下ろしているだけだった。
唇噛み締めて
見下ろしてるだけだった。
あたしの気持ちだけ
置き去りにして
季節はめぐる。
ひろと梨香ちゃんは
相変わらず仲良しで
あたしとひろは
あの日から一度も言葉を交わしていなかった。
あたしはただずっと
あの子とひろを遠くで見てるだけだった。
どうしても目が追ってしまっていた。
そんなふうにあっという間に
2年生が終わる。
「あ~♪宵♪もうクラス替えだね♪」
「あ~うん。」
「一緒のクラスがいいなあ~」
「誰と?!」
「圭太くん♪...と宵ッ」
「え~めんどくさくなりそう」
「あっそ~~~べぇ!!!」
クラス替えを前日に
やっぱり少し緊張する。
「まぁ愛と一緒のクラスでも悪くないかもね♪」
「うん♪」
クラス替え。
中学校生活最後のクラス。
ひろと一緒がいいな..
やっぱり嫌だな...