「あっ...」
ひろの声にあたしはドキドキした。
初めて聞くね..
こんな声...
ひろは行為を終えると
心地良さそうに
あたしに体重をかけた。
「重たいよ...。」
「あ..ごめん。」
「汗掻きすぎだよ。」
「ごめん。」
「あやまらんといてよ。」
ひろは我に返ると
自分のしたことに後悔しているみたいだった。
あたしが背中に残した爪痕は
引っ掻き傷になって
ひろの背中を赤くした。
背中に食い込んでいた
爪の型まで残ってた。
背中をさすりながら
ひろは謝った。
「ごめん...」
「もう..いいのっ」
後悔しないでよ。
こんな事なら
一生消えないくらい
爪痕残せばよかった..
「もうちょっとしたら親帰ってくるから時間やばいねん..」
「うん。バレたらまずいもんねっ♪すぐ帰るよ」
まるで追い返すようにあたしを突き放す。
「ばいばい」
脱がされた服を
自分で着るのが
恥ずかしくて惨めだった。
帰りは一人で来た道を帰る。
股が痛い。
うまく歩けないまま
あたしは夕暮れの道を
惨めに歩いて帰った。