"じゃぁそれ以上は?"





ひろの肩に手をまわしたまま
あたしは聞いた。




「そんなん!!あるわけないやろ...早すぎやしな~」



ひろは顔を赤くして言った。



でも思ったの。
このままじゃあの子に
キスだけじゃなくて
全部とられちゃう...




「それ以上はないの?」

「うん。あたりまえや~」

「じゃぁもう一回キスして?」


ひろはまだためらっているみたいだった。
あたしにはわかる。



あの子の事考えてるんでしょ?




「....。今日だけな。」



そしてひろは真面目な顔して言った。



「それから..俺は宵のこと前みたいに好きじゃない。今は梨香の方が大切やねん」


「分かってる...」


そう言って
今日だけと言うキスをした。



やっぱり中学生の男の子の気持ちなんてこんなもんで...
本当の愛とか
運命の人とか
そんなの存在しないんだね。



もうひろの気持ちは
戻らないの?



「ねぇ..ひろ。」

「ん‐?」

「これ以上はしてないんでしょ?」

キスしながらあたしが聞いた。

「...うん」







「じゃあ..ひろのこれ以上...あたしに頂戴?」




どこかでまた何かが弾けた。
あたしは今までずっと
PLATONICな
純真な恋をしてきたつもり。
でも それだけじゃ足りない。

それだけじゃ幸せになれない。