「梨香ちゃんのこと好き?」


「.....うん。」

写真を見ながらひろは答えた。

「そっか」


胸に突き刺さる。


「どれくらい?」

「普通くらい...」



あたしより好き?


なんて聞けない。



「それ本音だよね」

「まぁ...時々本音。」

「よくわかんないよ」


時々本音..

じゃぁほとんど嘘なの?
それとも照れ隠し?

わからない。


もうひろのことが
分からなくなってしまった。



「あっ宵見て~」

「ん?」

写真を見終わったひろが
変わらないままの勉強机の引き出しを開く。



「あっ..これ」


そこにあったのは
沢山の小さなタイルシール。

それはあたしが小学生の頃に流行っていて
それをひろにあげたやつだった。


ちゃんと小さな箱に入れて
残してあった。


すごく嬉しくて
胸がキュンとなる。


ひろのそばに
あたしの思い出が合ったから..


「懐かしいねっ」

「うん」

「こんなの残してたんだぁ」

「俺捨てられない男♪」

「ば~か」



あたしの中で
あの頃の沢山の思い出が
順番に浮かんでくる。


初めて出会って

沢山遊んで追いかけあって

泣きながら話をして

それから
抱きしめられて

キスした。


でもひろは今はもう
あの子のもの....


こんなに好きなのに...