運動会も無事に終わって
いつのまにか
あたしとひろが離れてから
一ヶ月が経とうとしていた。


ひろと梨香ちゃんが付き合い出してからそろそろ一ヶ月..




「あぁ‐めんどくさっ」


その日は休日で
朝から雨が降っていたから
じめじめしていた。


9月と言っても
やっぱりまだ暑い。



あたしはその日
運動会に撮った写真を現像しに近くの店まで取りに行っていた。


「蒸し暑い...」

店の前で現像したばかりの写真をパラパラと見ていた..


するとそこに
懐かしい影が通る。

その背丈も
髪の香りも

あたしの胸を締め付ける


「...嘘」



ひろだった。


「あ...」

ひろもあたしの顔を見るなり驚いている。

「宵かぁ‐久しぶりやな。外で会うの。」

「うん」


ひろは何も気にしてなんか居ないみたいにあたしに話かけてきた。



どうしてだろう

それが何故かとても寂しかった。

"あたしのことなんて
もうなんでも無いんだね"


それはそうだ。
もうひろにはとっても可愛い自慢の梨香ちゃんと言う彼女が居るんだもの...



「ひろも写真..現像しに来たの?」

「おうっ。このへんって此所しか現像する場所ないからなあ」

「うん..でも偶然..」

「せやなっ」


久しぶりに話をする。


もうあのときの出来事なんて忘れているの?
それとも変わってしまったの?
別人なの?


「宵の写真見せて‐や」

「え?」

「俺写真見るの好きやからっ」

「いいけど..ここで?」


ひろは少し考えて言った。


「じゃぁ後で俺ん家持ってきて♪」

「え?後でって..今日?」

「うん。」

「え?」

「嫌やったらいいわ!!」

「え....」

「じゃあ!!後でな」


そう言ってひろは自転車に乗って行ってしまった。