ひろとめぐチャンが
付き合ってから
あたしとひろは
まったくはなさなくなった。

理由は沢山あったけど
まためぐチャンに呼び出され
もう
話さないでと言われた。

付き合うって
そういうことなんだと思った。
相手を
ひとりじめみたい。


クリスマスも
バレンタインも
ひろと会うことなく
卒業式を迎えた。


入場の時に
後ろに並んでいた
ひろに引き止められた。

ただ
「ありがとう」

そう言われたけれど
あたしには
とてもとても
痛かった。

胸が痛かった。

あたしは
頷いただけで
また前を向いてしまった。

そのまま入場し
退場し

卒業。

ひろとは
一度も写真をとらなかった。

でも
あとで現像した写真に
偶然ひろを見つけた。

あたしのほうを
見てうつっていた。


また胸が痛かった。

でも
この時の
甘くて痛い恋が

これからもっと
深く苦く
なっていくこと
予想もしなかった。


あたしたちが
終わることなんて
ないのかもしれない。