夏休みがおわってから
すぐに運動会だった。

この季節は
とにかく暑い..


毎日運動会の練習で
外に出て合同練習。


どうしてもひろが目に入る。

それから梨香ちゃんも..



運動会の種目は
2年生から男子は組体操で
女子はダンスだった。


ずっとダンスをしていたあたしは推薦で無理矢理ダンス委員とかいう代表になって、学年で踊るダンスを作っていた。


2学年の全部のクラスに
教えて回らなきゃいけない。


もちろん
梨香ちゃんのクラスにも..



とっても辛かった。
何も知らない顔で
あのこと会話すること..

とっても
辛かった..





ねえ..
もうキスしたの?

ねぇ..
抱き締められたりするの?




あたしみたいな
辛い思いも知らないで
簡単に幸せになれるんだね..


あたしじゃ駄目なこと
たくさんできるんだね..


学校で話をしたり
一緒に帰ったり..
のろけたりして..



ねえ
別れてよ..

早く別れてよ..

ひろを返してよ...





嫌な自分が沢山顔を出す。



「宵ちゃ~ん。もう一回教えて♪」

「うん♪」


作り笑いして
一生懸命に平然を装った。


梨香ちゃんのクラスに行くのが苦しくなっていく。



あのね
聞いてしまうんだ。



あの子がする
あなたの話。


まるであの子のものみたいなあなたは
他人みたい。



嫌なほど聞こえてくるよ

聞きたくなくても
あなたの名前がでるたびに
聞こえるの。


聞こえてしまうの