夏休みも開けて
まだ朝が苦手なあたし。

始業式は遅刻。

でも 良かった。
ひろの顔を見ないで済んだから。



そしてさっそく次の日から
長い授業が始まる。


「愛おはよ‐」

「あっ。宵..おはよ」


夏休みが開けて
学校が始まると
なんとなく愛の態度が
不自然になった気がした。


「?...へんなのっ」


特に気にすることもなく
過ごしていたけれど
何故か愛に避けられているのがなんとなく分かった。



授業が始まってから
何度か大輔とは廊下ですれ違って挨拶くらいはお互い交わしていたけれどそれ以上は何もなかった。

また大輔に戻ってしまったら
中途半端な気持ちで
また裏切ることになってしまうから....




「お‐い。大沢と伊藤!!これ捨てて来てくれ」


担任の先生がゴミを渡してきた。

「え~」

ゴミ置き場は校舎から一番遠い場所にあった。
グラウンドの一番向こうまで行かなくちゃ行けなかった。


「ただでさえグラウンド広いのに..愛♪行こっか」

「..うん」

二人で広いグラウンドを
とぼとぼ歩いてゴミを捨てた。
やっぱり愛の様子がおかしい。

「愛..最近変だよ?何かあったんか~?何でも言え?」



愛は下を向きながら歩いていた。


「.....。」

「....。」


「あのね!!!宵...」


グラウンドの真ん中に
真夏の蒸し暑い風が吹く。










「ひろくん彼女出来たんだって」