その日はそのまま大輔に家まで送ってもらった。

家に帰ってから
初めて携帯の電源を入れた。

どれだけ期待していても
ひろの履歴はどこにもない。


代わりに愛から着信が入った。


その内容は
愛と圭太くんの
事後報告だった。


「もしもし?」

「宵♪今日はなんかごめんね。あの後圭太くんと遊びに行ったんだぁ♪」

「よかったじゃん♪」

「...宵は?」

少しためらいながら
愛は聞いた。

「何にも...変わらないよ?」

「そっか♪また聞かせてね」

「うん♪ばいば‐い」

ピッ


今日は1日
なんか大変な日だった。




でも..
この日から夏休みが開けるまで特に何も起こらなかった。


大輔ともあれから連絡を取ることは無かったし、ひろから連絡が来ることも無かった。


ひろが隣に居ないことは
少しずつ慣れて来ていた。


愛も何度か心配して家まで来ることがあったけど
迷惑かけるのが大嫌いなあたしはわざと明るく振る舞って居た。



そして あっという間に
あたしとひろの夏休みは
終わってしまった。