[もしもし...愛?]

電話をしたのは愛だった。
友達の中でも
あたしは信用している方だったけれど
今までずっと自分の弱いところは見せなかった。


[え?宵?泣いてる?]

[うっ..泣いてる..]

[待って!!焦る!!]

[ごめんっひっく..]

[宵の今の家ってどこやっけ?]

あたしは一生懸命
自分の家の場所を愛に伝えた。
すると愛は
今から行くと言ってくれて
本当にすぐにきてくれた。

こんなにあたしのこと
心配してくれていたことが嬉しくて少し安心した。


「宵ちゃ~ん♪久しぶりっ夏休み初めて会うねっ☆」

「うん...。」

「はいっ♪お酒‐♪お母さんの盗んできたぁ」

「あたしお酒なんかあんまり飲んだことないよぉ..」

「まぁいいから♪」


愛は初めて見るあたしの泣き顔をみて
すごく心配してくれていた。

「それで..どうしたの?」

「あのね..」



本当は誰にも言うつもり無かった。ずっと誰にも言えないと思っていた。
素直に話すこと
すごく苦手だったし。


「あたし..さっきひろと別れたの...」

「...え?」

愛はキョトンとした顔で
缶チューハイを飲んでいた。

「ひろって...もしかして小学校とき仲良かったひろくん?」

「そう..」

「えっ?付き合ってたん?」

あまりにリアクションの大きな愛に
あたしはゆっくり初めから
話をした。
大輔のことも..。

全部話すのはすごく時間が掛かったけど
ちゃんと話せてスッキリした。

「宵は大変だね。家のことも..ひろくんのことも..」

「うん。」

「これからは何でも話してね。」

「ありがとう」

「宵はずっとひろくんが好きだったんだね♪」

「うん..最低だよね」

「そうかもね。」

「...」

「でもあたしは宵のこと好き!!あたしにとっては最高だよ♪」

「やっ!!なんか恥ずかしい」

最後にはスッキリして
笑えるようになった。

愛はまた学校でねって言って
帰っていった。