「嘘...付いちゃったね」

「おう」

「なんか..ごめんね」

「謝る意味がわからんな」

「でもごめんね..」

ひろは立ち上がって
歩き出した。

「俺帰るわ..。」

「え?ひろ...」

あたしは追いかけなかった。
怖かった。

ひろが恐い顔したこと
離れて行くこと
突き放されること

これ以上
傷つくことが恐くて
よわむしだった。



ひろが見えなくなったところで
あたしは泣いた。
声に出して泣いた。