その日もまた夜の公園だった。

「ねぇ~ひろ?」

「ん?」

「ひろは高校とか何処いくか決めてる‐?」

「えっとな..S高校。」

「S高校かぁ。頭良いとこだね~」

S高校じゃ
今のあたしには無理だと思った。
だから少し寂しかった。


「あのさ~。宵も一緒にS高校行かん?」

「えっ?あたし?無理無理」

「俺が勉強教えるからっ目指そ!!」

「ん~そこまで言うなら..」

「じゃぁ約束な」

ひろはあたしの小指を
無理やり取って
きつく結んだ。

「ゆびきり!!」

「あ..うん!!ゆびきり!!」

結んだ小指が
離れないように
約束した。

でもあたしにそんな約束守れるのかな..。
不安..。


「だってさ..」

「ん?」

「だって..高校入ったら今よりもっとちゃんと付き合える」

「え?」

「学校でも話せるし..」

「..うん。そうだね♪あたし頑張るよ!!」

ひろがそんな風に思ってくれていると解って嬉しかった。


「あたし本当に頑張るね♪」

「おう」




こんなふうに
あたりまえのように
隣にはひろがいた。

優しいひろ。


本当に大好きだった。



家に帰ってから
着信があったことに気が付いた。

着信歴には
大輔の名前。


なんか嫌な予感がして
あたしは電話を
掛け直さなかった。


それからしばらく
大輔から着信が続いたけれど
知らないふりをして
無視をしていた。

あたしは最低

ひろとの関係が
崩れそうで恐かったの。