デートの日の朝は
いつもと違う
新鮮な朝だった。
太陽の匂いまで敏感に
わかってしまうくらい
新鮮な朝だった。
あたしは昨日から用意してた服を来て
軽く化粧もして
準備なんて思っていたよりずっと早くできてしまった。
待ち合わせはマンションの下。
ドアを開けて2階から下を覗くとひろが待っていた。
「ひろ♪おはよッ♪」
「おはよ‐」
「やっぱり今日も暑いね♪」
「夏やからな!!乗って?」
ひろは自転車の後ろを指差す。
「...なんかすごく久しぶり。」
今日のデート。
あたしはこれだけで充分幸せだった。
ひろの自転車の後ろにもう一度座ることが出来たから..
「駅までこれで行こな♪」
「うんっ」
ひろの後ろに乗るのがすごく好き。
髪から漂うシャンプーの香り。
いつも良い匂いだなって思って聞いてみたら
あたしと同じシャンプーだったんだ。
それだけじゃない。
携帯電話だって偶然一緒だった。
色まで同じ..
水色なんて今どき趣味悪いなんて言ったけどお互いさまだねって笑いあった。
あたしたち
少し偶然が重なり過ぎてるね。
運命だなんて言ったら
笑われるかな。
「着いたで!!」
駅まではあっと言う間だった。
誰かに見られないようにって
裏道ばっかり通ってきたのにね...
水族館まであと少し。
あたしたちの終わりまで
あとどのくらい?