緊張しながらも
大輔の家へと向かう。

大輔に言わなきゃいけないことは昨日沢山考えてきた。

深呼吸して大輔に電話をした。

[もしもし。大輔?いきなりごめんね...今家の前にいるの。話できる?]

[えっ...わかった。ちょっと待ってて]


しばらくすると
玄関のドアが開いた。

「おはよう」

大輔が出てきた。

「あっ..おはよう」


「大輔..昨日はいきなりごめんね...それから連絡も出来なくて...」

「ん..。いいよ☆あがって♪」

わざと明るくしているのも
今まで一緒に居たんだから
近くで見ていたんだから
分かっちゃうよ...

「おじゃまします。」

大輔の部屋はいきなりあたしが来たもんだから少し散らかっていた。
あたしは散らばった部屋を片付けながら大輔が後から来るのを待っていた。

机の上に散らばっていたのは
あたしが気まぐれに書いた
なんの意味もない手紙だった。

「...あ。片付けてくれてたん?」

「うん。ごめんね。勝手に..」

あたしは無意識に散らばった手紙の方へ目をやっていた。

「あ。それ..昨日懐かしいなって思って読み返してたやつ..」

「うん。こんなの全部残してたんだ...」

「まぁなっ!!」


散らばった手紙が
悲しくて切なくて
胸が痛くなってしまった。

振り返って見れば
あたしはひろを忘れられなかったけれど
大輔と居る時間は
宝物みたいに大切だった。

今更 わかるのね。

でも言わなきゃいけない。