「ごめん!!大輔。あたし行かなきゃ...」

大輔はずっと沈黙していたけどあたしが立ち上がると腕を掴んだ。

「行くな。」

「ごめん...」

「俺は宵ちゃんの彼氏やで?なんで行くん...行くなって!!」

「ごめ...ん」

「ずっと宵ちゃんが違うだれか見てるのは気付いてた...」

「....」

「ひろやったんか?」

「....大輔」


「...俺ずっと分からんくて。宵ちゃんが誰見てるんか。でもなんとなく解った。」

「...」

「二人で黙ってたんか?」

「大輔...そんなんじゃないよ」

「じゃあ行くな。今行ったらあかん気がする..」

「大輔...あたし行かな..」

「....帰ってこいよ?」

「うん」

「絶対やで?」

「うん...」

大輔は目に涙を溜めていた。
あの時のあの表情がいつまでも忘れられなくて
胸が痛くなる。


それでもあたしは
大輔の手を離したんだ。


あの公園まで走るために..
最後にキスした
あの場所に...