大輔がすき

すき

すき


あたしは大輔がすき。


大輔にあうたびに
自分に呪文をかけているみたいだった。


週末はよく大輔の家に行った。他愛もない話をしてテレビを見たりして...

大輔は本当に優しかった。

あたしが友達と外に遊びに行って、雨が降って来て帰れなくなってしまった時に
大輔は傘を持って迎えに来てくれた。
すごく優しかった。

あたしは大輔の気持ちに
もっと答えなくちゃいけない

なのに
なのに

なのにあたしは
大輔の気持ちの大きさに
付いていけない気がしてた。

でも
大輔がすきなんだ

呪文をかける。


付き合って2ヶ月が絶つころ

大輔の部屋で寝ていたあたしに大輔はそっとキスをした。

それからそのキスはどんどん深くなってきて
大輔の手はあたしの胸に触れた。

「大輔?」

「ん..ごめん。」

「いいよ...」

「え?」

「していいよ」

黙ったまま大輔は触れた手を
下へ下へと運んだ。

あっという間に
あたしの下着は下ろされて
いよいよと言うところまで来ていた。



大輔も服を脱ぐ。
意外と広い肩幅に綺麗な鎖骨。

でも
でもね

あたしは大輔のその肩の向こうで
ひろを見ていたの。
やっぱりこんな時まで
ひろを見ていたの。

「大輔っごめん...」

「えっ?」

「やっぱり無理...」

「うん..そっかぁ」

大輔はそのままあきらめて
きまり悪そうに服をきた。

無言になってしまって
あたしは早めに帰ることにした。

帰り道。
やっぱり涙が出てきてしまう。
ひろのことでは
もう泣かないって
決めていたのに。