母はずっと病弱な妹につきっきりで
入院と退院を繰り返して
全然構ってくれなかったこと

母と妹の乗った救急車を追い掛け転んだ日のこと

父がいつのまにか話さなくなったこと

祖父からの虐待のこと






....
時々 消えたくなること






大輔は悲しそうな目をしながらあたしを抱き締めていた。

ただ頷くだけの大輔
でも
あたしを真正面からみている



あたし
大輔を好きになりたい。



「大輔?キスして」

「え?」

「お願い。」

「うん」

大輔はあたしに
優しいキスをした。

「もっと...。」

「うん。」


大輔の前髪が
顔にふれる。


抱き締め合って
たくさんキスをした。


舌を絡ませて
甘い甘いキス。










ひろの話は
まだできないけれど




あたし
大輔を好きになりたい。