なんとなく愛はあたしと同じ気持ちな気がして、可哀想で切なくなった。
あたしは愛の頭を撫でてあげた。

「ありがとう。なんか宵って口には出さない優しさがあるよね」

「そう?冷たいってしょっちゅうゆわれるよ。家族にも..」

「そ~いえば宵は最近家庭の方は落ち着いてる?」

「ん~?平気。慣れたよ」

「そっか」

女友達で唯一愛だけは
あたしの家庭のことをしっていた。

「おじいちゃんには叩かれたりしない?」

「大丈夫っあんまり会わないようにしてるからね」

「うん。あのねっ宵はすごくすごく優しい子やと思うよ。ほんまに!!」

「そう?ありがとう。」

野球部の活動もそろそろ終わるからと言って
愛は気をきかせて早めに帰っていった。

あたしは校門で大輔を待つことにした。
先に帰ってきた先輩達にすごく見られてひやかされるもんだから、あたしの機嫌もだんだん悪くなってしまっていた。

「宵ちゃ~ん!!」

大輔が走ってきた。

「遅くなってごめん。門限とか大丈夫?」

「平気。あんまり帰りたくないし」

「..?じゃぁ歩こうか☆」

ふたりで帰るのは
これが2回目だった。
ただ前みたいに手は繋がない。


「あの..返事考えてくれた?」