修学旅行も最後の日。



班で自由行動だったけれど
あたしは愛と二人で班から抜けてまわることにした。


ひとつだけ
どうしてもしたいことがあった



あたしはパンフレットを広げて愛に見せた。

「ねぇ愛~?昨日先生が言ってたじゃん。これ」

「え~どれ?」

「ハートのストーン。知らない?」

"ハートのストーン"

それは長崎の観光名称にあるものだった。
数ヶ所の地面にハートの形をした石が埋め込まれている。


「これ。見つけたら願いが叶うんだって。」

「え~こういうの好き!!」

「全部ふたりで見つけない?」

「やろ~♪見つけよ♪」


あたしは
ジンクスとかおまじないとか
興味なんてなかったけど

これだけは本気だった。


見つけたら何か変わる。
そんな気がした。



さっそくふたりで探すことになった。
時間がかかったけど一つずつ見つけていった。

「あっ!!愛?これじゃない」

「本当だぁ~」

「さわっとこ~」

あたしは一つ一つの石に
本気で願いを込めた。


「あとひとつで最後なんだけどな~」

「う~ん。」

ふたりでわくわくしながらも
一生懸命に石を探した。



「あった~~~~」

「やった~~~」


最後の石に
ふたりで触れた。

"ひろと一緒に居たい"


あたしは真剣に願いを込めた



「はぁ~疲れた」

「地面ばっか見てたもんね」

「首痛い...」


そう言いながら
あたしと愛は空を見上げた。