お風呂に入ったのにも関わらず女の子はレクレーションの為だけにまた化粧をする。
あたしも部屋で急いで化粧をしていた。
そして廊下で集まってダンスの練習を出番のギリギリまでしていた。
「お~い。出番なるよ!!」
先生に呼ばれてやっとみんなのところへ戻った。
あっという間にダンスの曲が流れ始める。
興味のある子達がどんどん前の方へ集まっていた。
その中でも特等席に大輔がいた。
踊りながら何度も大輔と目があうから恥ずかしくて仕方なかった。
無事にダンスも終わって
あたしは大輔に話掛けた。
「ちょっと~!!見すぎ!!」
「だって間近で見てみたかったから...。」
「別にいいけどさぁ~」
あたしはこの時...
大輔に別れた事を話そうか悩んだけれど辞めた。
もし言ったら、思わせ振りかも知れない。
そんな気がしてあたしはすぐに話を辞めてクラスの列に戻った。
レクレーションの最後に
伝言ゲームをすることになった。
みんなクラスごとに出席番号順に並んで耳打ちを始めた。
あたしの後ろは
ひろだった。
前から伝言が回ってくる。
「俺こんなん嫌やし~」
ひろが言った。
「お前ちゃんと並べよ」
圭太くんがひろに注意をする。
「だるいもん。」
そう言ったままひろは列から外れて行ってしまった。
「_____ッ」
あたしはひろが列から離れるとそのままレクレーションを抜け出してしまった。
何故かわからないけど
すごくショックだったから。
ひろに拒否された気がして
すごくショックだったから。
こんなくだらないゲームで
傷つくなんて馬鹿みたい。
あたしに耳打ちなんて
したくないよね。
あたしだって同じだよ。
あんなに近くにひろの顔が
近づくなんて考えたら
心臓が爆発すると思ったから。