「あたし..ひろのことが好きなんだ~」

ただそれだけ。
ただそれだけを愛に伝えただけなのに涙が溢れる。

「うん。知ってたよ。」

そう言って愛はあたしを抱きしめてくれた。

「今...辛い?」

「うん..辛い。」



そのままあたしは優一との関係も愛に話した。
あたしの話はまとまりがなくて長くて分かりにくい話だったけど愛はずっと頷いて聞いてくれていた。

「宵~?」

「ん?」

「優一くんと別れなよ?」

「...」

「そんなの...あたしが許さないからね」

「うん」

「気をまぎらわすくらいなら..あたしがいくらでもしてあげる。」

「...うん」

「もっと大切にしてよ?」

「うん。できるだけがんばる~」

「ば~か」


そうして愛はいつもあたしに見せる優しい笑顔で笑ってくれた。



この日の夜は安心して眠れた。

明日優一に"別れよう"って言うんだ。

きっと中身の無い恋愛だったから
別れるのも簡単だと思った。



あたしはねるまえに優一にメールをした。
きっと優一にもなんとなく解ったんだと思う。
明日の自由行動は優一と回ることになった。