修学旅行の準備も終わって
あっという間に当日だった。


朝早くから重い荷物を持って
出かけなきゃいけなかった。

マンションのドアを開けると
そこには優一が立っていた。


「あ..れ?なんで居るんよ」

「え..???荷物重いやろ?」

「は?」

「彼氏やったらこういう時は荷物運ぶんちゃうん?」

「あ~~~」

あたしは優一に話す時はいつも口調がきつかった気がする。
なんとなくいつも冷たく当たっていた。


「荷物持ちに来たの!!」

「ふ~ん」

「多分みんな彼女の荷物持ちに行ってるやろ?」

「見栄ですか?」

「違うから。荷物貸して」

「...ありがとう」


優一とはあんなことがあったけど、一緒にいるとそれなりに仲も深くなる。

初めはずっと子供なんだと思って一緒にいたけれど、たまに優しいところもあった。

好きにはなれなかったけど..


「荷物多くない?」

「女はいっぱいいるの!!」

「なんでブーツなんか履いてくんねん!!」

「みんなおしゃれしてるの!!」

「はいはい」




集合場所へ着くと
優一の言ったとおり
みんな彼氏に荷物を持ってもらっていた。


あたりまえだけど..

ひろも大きな鞄を二つ抱えてた。