"ひろはあたしを助けてくれた"


複雑な気持ちもあったけれど
嬉しかった。

ひろはいつもどこかで
あたしを優しく包んでくれる。

でもひろが一番近くで
守っているのは
あの子だけ...


ひろの目線の先は
いつもあの子だけ。




中学3年生になると
話題にも色気がついてくる。
愛が唐突に聞いてきた。

「宵ってさぁ..エッチしたことある~?」

「....は?」

「だから~そうゆうことないの?」

「ん~無いよぉ」

「...ひろ君とも??」

「...ないない」

とっさにでも自然に嘘を付く。
ひろの為に...

「じゃあ大輔くんは?」

「え~?大輔...ん~っと..有ったような無かったような」

大輔とは一度だけそういう雰囲気になったけれど
あたしは出来なかった。

「え~!?有ったの??」

「無いかなぁ~!!未遂!!」

「え~?でもなんか羨ましい!!」

「別にそんなにいいもんじゃないでしょ??大切にするべき!!」


"大切に.."

あたしは初めてを大切にしたい。
だからずっと大切に思っていた。