「じゃぁ…帰りますか」


「……何よ?」


エンジンをかけたのに車を出さずにあたしを見る。


「"えー…夜景が見たいのー♪"とか言わねぇの?」


―…なるほどね、あんたが付き合って来た女逹はそうやってベタな駄々をこねてたワケね。


「えー…夜景が見たいぃ
ぃぃ」


「…」


―…自分が言ったくせに何よ、その露骨に嫌そうな顔!!!!!!


「せっかく、言ったのに何よ?その顔…」


大きくため息をついて項垂れた。


「ハハ…可愛いなと思ってね?」


「あ…りがと」


赤くなった顔を見られないようにずっと景色を見てた。