ユキネが歌い終わるとレッスン生たちは拍手を贈った。

それでもユキネは笑顔さえも見せずに、さっさとレッスン生たちの1番後ろに座った。

そして2時間のレッスンが終わり、ユキネはレインボースクールから出た。

『ユキネ〜!!』

背後からハナの呼ぶ声が聞こえていた。

しかしユキネは、見向きもせずに腕を組んだままハナを無視し、帰り道を歩いていた。

『ちょっと待ってよ、ユキネってば』

ハナは走ってユキネを追いかけ、ユキネに追いつき前に回り込んだ。

『ハァ…ハァ…待っててっていってるのに…』

走って来たハナは息を切らしていた。

『何だよ?』

『ちょっと待って…呼吸を整えるから…』

ハナはそう言って胸に手を当て、呼吸を整えた。

『だから何だよ?』

ユキネはハナをにらみつけて尋ねた。

『ユキネ、一緒に帰ろうよ』

ハナは笑顔で言った。