『学校だって退学になっちゃったし…必死に働いて学校に行かせてくれてた親に…会わす顔ないよ…』

ハナは泣きながら言った。

『ハナ…』

ユキネは何も言えなかった。

すると、またカンカンカンカンとベルが鳴り響き、踏切の遮断機がおりた。

『ユキネ…あたしの夢をユキネに託すから…絶対おっきなステージに立ってね。約束だよ』

ハナはそう言って、遮断機をまたぎ線路の真ん中に立った。

『ユキネに出会って、この数ヶ月…すっごく楽しかった。ユキネ、出会ってくれてありがとう』

ハナは目に涙を浮かべながら、満面の笑みを見せた。

ハナの左からライトがハナを照らしながら、電車が勢いよく近付いて来た。

『さようなら…パパ…ママ…ユキネ…そしてあたしの夢…』

ハナは静かに目を閉じた。

『ハナーーーー!!!!!』

ユキネは大声で叫んだ。

電車がハナに激突した。大きな音が鳴り響いた。