『ハナ…ハナ…』

ユキネが公園近くの踏切にやってくると、ハナが踏切のまえで、線路を見つめてボーっと突っ立っていた。

『ハナー!!』

ユキネはハナを見つけ、ハナに駆け寄ろうとした。

『来ないでー!!』

ハナはユキネに気付き、大声で叫んだ。

その叫びを聞いたユキネは足を止めた。

『ハナ…』

『ごめんね、ユキネ…』

ハナは背を向けたままユキネに謝った。

『えっ?』

『ユキネがくれた小犬のストラップ…こんなになっちゃった…』

ハナは振り向きユキネにストラップを見せた。

『ハナ…ど、どうしたんだよ?』

『キョウコに…こんな風にされて…』

ハナの目から大粒の涙が零れ落ちた。

『もうあたし…イジメに耐えられない…』

ハナの唇は震えていた。

『ハナ…イジメ何かに負けちゃダメだよ!!』

『無理だよ!!あたしはユキネみたいに…ユキネみたいに強くない!!』

ハナは大声で言った。