『ユキネ…』

沈黙を破りハナがようやく話し出した。

『ユキネ…あたしもうダメだよ…』

ハナの声は小さく震えていた。

『えっ?』

『あたしもう…生きるのが辛い…』

そのハナの言葉を聞いたユキネは驚くしかなかった。

『ハナお前何言ってんだよ!!…今どこにいるんだ?』

ユキネはハナに尋ねたが、またハナは黙り込んだ。

『おいっ!!ハナ!!』

ハナは何も言葉を返さなかった。

するとユキネの電話の向こうから、カンカンカンカンというベルの音が聞こえた。

『…踏切!?ハナお前今踏切にいるのか?』

ユキネが尋ねた瞬間、電話が切れた。

『まさかアイツ…』

ユキネの脳裏には一瞬にして嫌な事が浮かんだ。

『ハナ!!』

ユキネは走り出した。

『踏切って…どこの踏切だよ…』

ユキネは必死になってハナのいる踏切を探し回った。