便箋には、美由の可愛らしい丸文字が並んでいた



『天ちゃんへ

この前はごめんね、私だけ言い逃げしちゃったね。

私も天ちゃんが好きだから、梨衣に話を聞いた時は、すごく嬉しかったなぁ…

でもね、私もう知ってたんだ。自分がもうすぐ死んじゃうってこと…

だから、天ちゃんの気持ちにこたえられなかったの…本当にごめんね。


もう一つ、謝らないとダメだね。

私、どうしても天ちゃんには、自分が死ぬこと、言えなかった…

梨衣にもね、天ちゃんに言わないでって口止めしちゃったの…本当は自分で言いたかったから…

だから、梨衣を責めないでね!



最後に一つ、天ちゃんにお願いがあります

こんなこと書くの、自意識過剰な気もするけど…でも書きます

私のこと…というか、私を好きだったこと、ちゃんと忘れてね

律義な天ちゃんは、死んじゃった私のこと、ずっと想っててくれちゃいそうな気がしたから…

でもね、そんなの私も悲しいから…


だから、天ちゃんは私じゃない誰かと、ちゃんと幸せになってね

絶対だよ!




美由より』