俺は、梨衣の方を向くことができなかった



そんな俺を、梨衣はじっと見つめたまま、静かに問い掛けた




「ねえ、天…天ならできる?美由が…もうすぐ死んでしまう大切な幼馴染みが頼んだ『一生のお願い』……破ることなんて、できるの?」




返す言葉が見つからないまま、俺は黙ってうつむいた



梨衣の口調が、激しくなる




「私はできなかった!そんなこと、できなかった!本当は…本当は…!」



「もういいよ!」




俺は、思わず梨衣を抱き締めて叫んだ




「もう…分かったから…」




俺が呟くと、梨衣は大声をあげて泣き始めた