頭の中が、真っ白になった







何も考えられなかった








そんな空っぽな頭の中に、母さんの言葉だけが響いている…










「だいぶ前からね、具合が悪かったらしいの……ほら、6年生の時に美由ちゃん、引っ越したでしょう?あれも…美由ちゃんの病気を治すために、いい病院に行くためだったみたいで…。夏に帰って来た時も美由ちゃん、市立病院に一時入院してたみたいで…」








あぁ…そうか…




だから美由は、ホテルの前で俺を帰したんだ…









ぼんやりと、そんなことを思った




現実を…受け入れられなくて…



「美由の死」とは関係のないことを思いたくて…